総則
2014年10月05日 17:38国民年金制度の目的と管轄について書いていきます。
■総則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■目的
(法1条)国民年金制度は、日本国憲法第25条2項に規定する理念に基き、老齢、障害または死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し、もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする。
※憲法第25条2項・・・「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されています。尚、1項は生存権について規定されています。
(法2条)国民年金は、上記法第1条の目的を達成するため、国民の老齢、障害または死亡に関して必要な給付を行うものとする。
※国民年金の給付は、業務上、業務外を問わず行われます。労災の給付と重複する場合など要チェックです。
■管轄
(1)管轄及び事務の実施
①国民年金事業は、政府が、管轄します。※保険者=国
②国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合(以下「共済組合」という)、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会または日本私立学校振興・共済事業団(以下「共済組合等」という)に行わせることができる。
※厚生労働大臣は国民年金原簿を備え、必要事項を記帳管理する義務がありますが、上記②の共済組合等については共済組合等に事務を行わせることができるようになっています。
③国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む)が行うこととすることができる。
※第1号被保険者についての以下の事務については市町村長が担当しています。
・任意加入被保険者の資格取得及び喪失の申出の受理並びにその申出に係る事実についての審査
・第1号被保険者であった期間のみを有する者に支給される老齢基礎年金、寡婦年金、死亡一時金など一定の給付を受ける権利の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査など各種届出、申請等の受理、審査に関する事務
(2)日本年金機構
日本年金機構(以下、機構)は従来の社会保険庁の廃止に伴い設立された非公務員型の公法人であり、国民年金制度における厚生労働大臣の権限に係る一連の運営業務を行うこととされている。※旧社会保険庁の年金記録紛失事件があったため、解体され、日本年金機構として再編されました。
☆機構の主たる事務所は東京都にありますが、必要に応じて各都道府県の市町村に「年金事務所」を設置しています。
www.nenkin.go.jp/n/www/index.html
■権限の委任等
(1)機構への委任等
①機構への厚生労働大臣の権限に係る事務については、その一部を機構に行わせるものとする。※共済組合等や市町村長が行うものを除く。
②厚生労働大臣は、国民年金制度における事務については、その一部を機構に行わせるものとされている。※共済組合等や市町村長が行うものを除く。
(2)地方厚生局長等への権限の委任
①国民年金法に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。また、これにより地方厚生局長に委任された権限は、地方厚生支局長に委任することができる。
②厚生労働大臣の権限のうち国民年金基金に係るものは、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を地方厚生局長に委任することができる。また、これにより、地方厚生局長に委任された権限は、地方厚生支局長に委任することができる。
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厚生労働大臣の権限がどこに委任されているのか、事務を担当するのは誰か、試験でポロっと問われても大丈夫なよう押えておきたい項目です。