死亡一時金

2014年10月04日 13:13

最近、御嶽山という山が突如噴火し、多くの登山者の方々が亡くなりました。
亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。

このような辛い事態が発生した場合なども、心を痛めるだけでなく、必要な手続きをもれなく行う必要があります。それらの手続きの一つ、年金の被保険者(年金保険に加入している本人)の死亡に関する給付、「死亡一時金」について書いていきます。
※日本の社会保険としての年金法は「国民年金法」と「厚生年金法」に分けられますが、ここでは国民年金法の死亡一時金について書きます。

 

■死亡一時金・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

保険料を納付した者が死亡した場合に、その保険料納付者が老齢基礎年金または障害基礎年金などの年金の支給を受けていなかったとき、保険料の掛け捨て防止の意味で、一定の遺族に死亡一時金が支給されます。

(1)支給要件・・・次の要件すべてを満たしたときに、死亡した者の遺族に支給されます。

■死亡した者の要件

①死亡日の前日において、死亡日の俗ずる月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、1/4免除期間の月数の3/4に相当する月数、半額免除期間の月数の1/2に相当する月数及び、3/4免除期間の月数の1/4に相当する月数を合算した月数が36月以上あること。

※つまるところ、保険料を実際に納付した月数が36月以上でなければならない。

②老齢基礎年金または障害基礎年金の支給を受けたことがないこと

※あくまで掛け捨て防止の一時金のため。

☆任意加入被保険者(60歳~65歳)または特例による任意加入被保険者(65歳~)としての被保険者期間は、①の第1号被保険者としての被保険者期間とみなされます。

☆旧国民年金法による「老齢年金」、「通算老齢年金」、「障害年金(障害福祉年金を除く)」、「母子年金(母子福祉年金を除く)」、「準母子年金(準母子福祉年金を除く)」、「母子福祉年金または準母子福祉年金から裁定替えされた遺族基礎年金の支給を受けたことがある者」は②の老齢基礎年金または障害基礎年金を受けたことがある者とみなされます。

■遺族の要件

①遺族基礎年金を受けることができるものがいる場合

ⅰ死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、死亡一時金は支給されない。ただし、死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときには、死亡一時金は支給される。

ⅱ死亡日に胎児である子がある場合であって、その胎児であった子が生まれた日において、その子または死亡した者の配偶者がその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができるに至ったときは、死亡一時金は支給されない。ただし、胎児であった子が生まれた日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときには、死亡一時金は支給される。

☆あくまで掛け捨て防止の一時金のため、遺族基礎年金が支給される場合には当然一時金の支給はありません。ただし、ⅱのケースのように、あとから遺族基礎年金の受給権が発生する場合には先に一時金が支給され、遺族基礎年金の受給権が発生した段階で一時金の金額を返金してもらうようです。

②遺族基礎年金の支給が停止されている場合

死亡した者の子が遺族基礎年金の受給権を取得した場合(死亡した者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く)であって、受給権取得当時その子と生計を同じくするその子の父または母があることにより遺族基礎年金の支給が停止されているときは、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者に死亡一時金が支給される。

☆死亡した者が離別等している場合に②に該当する場合の死亡一時金は、子と生計同一している者でなく、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者に支給される。

■遺族の範囲

死亡一時金を受けることができる遺族の範囲は、死亡した者の配偶者・子・父母・孫・祖父母または兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者である。ただし、「■遺族の要件②」に該当する場合に支給する死亡一時金を受け取ることができる遺族は、前述の通り、死亡した者の配偶者であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものである。

尚、死亡一時金を受けるべき者の順位は配偶者>子>父母>孫>祖父母>兄弟姉妹である。また、死亡一時金を受けるべき同順位の遺族が2人以上あるときは、その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。

■死亡一時金の額

死亡一時金の額は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数、1/4免除期間の月数の3/4に相当する月数、半額免除期間の月数の1/2に相当する月数及び、3/4免除期間の月数の1/4に相当する月数を合算した月数に応じて、ぞれぞれ次の額となる。

合算した月数 金額
36月以上180月未満 120,000円
180月以上240月未満 145,000円
240月以上300月未満 170,000円
300月以上360月未満 220,000円
360月以上420月未満 270,000円
420月以上 320,000円

死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における付加保険料の納付済期間が3年以上ある者が死亡した場合は、8,500円が支給される。

☆保険料の全額免除期間については、死亡一時金の算定の基礎となる期間に算入されません(寡婦年金については、年金額の算定の基礎となる期間に保険料全額免除期間が算入されます)。

■支給の調整

夫の死亡により死亡一時金の支給を受ける妻に対して、同時に寡婦年金の受給権が発生することがある。この場合においては、受給権者の選択により、死亡一時金と寡婦年金のうちいずれか一方の給付が支給され、他方は支給されない。※支給停止ではなく、支給されなくなる。また、選択によるので、どちらかが優先して支給されるわけではありません。

☆死亡一時金と遺族厚生年金(厚生年金法)は、要件を満たしていれば、両方受給できる場合があります。

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遺族基礎年金の支給要件、死亡一時金の受給資格者など、よく確認しておきたいところです。また、厚生年金保険法の遺族基礎年金の支給要件など、併用できるほう法律も要確認です。