疾病または負傷に関する保険給付(療養の給付)

2014年11月09日 21:41

平成26年度の社労士試験の結果が出ました!

残念ながら不合格でしたが、思っていたより点数が取れていました。特に直前に頑張った社会保険科目は点数が伸びていました。来年に向けて、再度頑張っていきたいところです。

さて、今回の選択試験で唯一2点を取ってしまったのが健康保険法でした。落としてしまったのは疾病または負傷に関する保険給付、特に食事療養費などの部分です。まずはここから復習をし、来年に備えていきます。

 

療養の給付

健康保険は医療保険であり、その保険給付の根幹は療養の給付です。療養の給付は、医療を現物で給付しますが、被保険者は保険医療機関等に被保険者証を提出して被保険者であることを明らかにし、診療等の保険給付を受けることができます。そして、この診療等に要した費用は、厚生労働大臣が定める額をもって、診療報酬として保険者から保険医療機関等に支払われます。

(1)療養の給付の範囲

被保険者の疾病または負傷に関しては、次の1~5に掲げる両様の給付(食事療養、生活療養、評価療養及び選定療養に係る給付は含まない)を行う。

1.診察 ※実際に疾病などでなくても診療を受けたのなら、当該診療に対して保険給付を行う。

2.薬剤または治療材料の至急

3.処置、手術その他の治療

4.居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護

5.病院または診療所への入院およびその療養に伴う世話その他の看護

★療養の給付は、被保険者の資格取得が適正であれば、その資格取得の前の疾病や負傷に対しても被保険者として受け取る期間、給付される。

★医師の手当てを必要とする異常出産の場合、保険医療機関等において手当てを受けたときには療養の給付として取り扱われるが、正常出産の場合は、医師の手当てを受けても療養の給付の範囲外とされる。※健康保険は被保険者や被扶養者の疾病、負傷、死亡、出産に対して保険給付を行うものとされており、いわゆる正常出産は疾病等でないため、療養の給付とは見なされない。ただし、出産一時金、出産手当金でカバーされている。異常出産とは帝王切開や切迫流産など。

(2)受給方法

保険医療機関等において療養の給付を受け酔うとする場合は、被保険者はその被保険者証をその保険医療機関に提出しなければならない。※保険医療機関ではない医療機関、診療時間外には保険適用されない。

薬局等も同じ。

 

(3)一部負担金

1.負担割合

保険医療機関等から療養の給付を受けるものは、その給付を受ける際、次の①~③に掲げる区分に応じ、療養の給付に要する費用の額に当該①~③に定める割合を乗じて得た額を、一部負担金として、当該保険医療機関等に支払わなければならない。

①70歳に達する日の属する月の翌月以前である場合・・・30/100

②70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合・・・10/100※当面の間。本来は20/100だが、当面凍結されることとなっている。

(70歳一般)

③70歳に達する日の属する月の翌月以後であって、療養の給付を受ける月の標準報酬月額が28万円(第21級)以上・・・30/100

(70歳一定以上所得者)

ただし、③に該当しても次のa、bに該当する場合は一定以上所得者とはされず、申請により、一部負担金の割合が10/100となる。

 

a.70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する被扶養者がいる場合については、当該被扶養者の収入も含めて年収の額が520万円に満たないとき、当該被扶養者がいない被保険者については、年収の額が383万円に満たないとき。

b.70歳に達する日の属する月の翌月以後である場合に該当する被扶養者がいない被保険者であって、被扶養者であったもの(後期高齢者医療の被保険者等に該当するに至ったため被扶養者でなくなった者であって、後期高齢者医療の被保険者等に該当するに至った日の属する月以後5年を経過する月までの間に限り、同日以後継続して後期高齢者医療の被保険者等に該当するものを言う)がいるものについては、当該被扶養者であった者の年収も含めて年収の額が520万円に満たないとき。

(2)一部負担金の額の特例

保険者は、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情がある被保険者であって、保険医療機関または保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められる者に対し、次の処置を採ることができる。

①一部負担金を減額すること

②一部負担金の支払いを免除すること

③保険医療機関または保険薬局に対する支払いに代えて、一部負担金を直接に徴収することとし、その徴収を猶予すること※6ヶ月以内の期間に限る